訪問看護での特定行為実践

低血圧と脱水が疑われた症例への輸液対応

在宅療養中の患者様において、急激な血圧低下を認めた症例を経験しました。
訪問看護では、日々の観察の中で状態変化を早期に捉えることが重要です。

今回は、循環動態の悪化が疑われた場面での対応についてご紹介します。

※個人情報保護のため症例内容は一部変更しています。


訪問時の状態

緊急訪問時、以下のような状態を認めました。

  • 血圧(SBP):60mmHg台(普段120-150mmHg台)
  • MAP:48mmHg
  • 心拍数:100回/分台(普段70-90回/分)
  • GCS:E3V5M6(合計14点)
  • 尿量:20ml / 6時間

低血圧に加え尿量の著明な低下があり、組織還流の低下が疑われる状態でした。

このまま循環不全が進行すると、多臓器不全へ移行する可能性も考えられるため、早期の対応が必要と判断しました。


アセスメント

身体所見および経過から、

  • 循環血液量減少
  • 血管内脱水

による血圧低下の可能性が考えられました。

在宅療養では食事量や水分摂取量の低下により、脱水が急速に進行することも少なくありません。

そのため循環血液量の評価を行いながら、対応を検討しました。


実施した対応(特定行為)

医師の包括的指示のもと、輸液による脱水の補正を開始しました。

ラクテック輸液を投与しながら循環動態を評価しました。


その後の経過

輸液後

  • 血圧:SBP90mmHg台へ改善 
  • MAP:65mmHg以上
  • 尿量:徐々に増加→翌日600ml/日
  • 皮膚状態:ツルゴール反応改善、腋窩湿潤

循環動態の改善を認め、状態の安定化を確認しました。


在宅医療における早期介入の重要性

在宅療養では、体調の変化が急激に進行することがあります。
訪問看護師が日々の観察を通じて状態変化を捉え、適切なタイミングで医師と連携し対応することが重要です。

当ステーションでは、特定行為研修を修了した看護師が在籍しており、医師と連携しながら在宅療養を支えています。

医療依存度の高い方や終末期の方に対しても、安心して在宅生活を送っていただけるよう支援しています。

夜間帯や休日などクリニックの対応が困難な事例でも、事前に医師と包括的指示を確認しておくことで
タイムリーな対応ができます。
また、多忙な医師からも、緊急対応、夜間帯対応の負担が減った、家族の病状理解が高まっていると連携することで、プラスの意見も聞かれています。

医師の考え、治療の方向性を理解してともに協同することでチーム医療が円滑に回っていくと思います。
当ステーションの看護師にも、特定行為を実践することだけでなく、医師の考え、目線を少しでも共有しやすくなることは、アキュリア訪問看護ステーションの強みです。