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【月間報告】特定行為実施内容のご報告

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8月号:両踵部褥瘡・糖尿病壊疽の創傷管理

対象期間:2026年8月〜

アキュリア訪問看護ステーションでは、特定行為研修を修了した看護師が、医師の手順書・指示に基づき、在宅療養中の利用者様に対して必要な処置と継続評価を行っています。今回は、両踵部に壊死組織を伴う褥瘡を認めた利用者様について、8月2日から8月30日までの約1か月間、創部の状態を継続的に観察しながら創傷管理を行った経過をご紹介します。

対象の利用者様は70歳代男性で、糖尿病(糖尿病腎症によりシャント造設)の既往があり、末梢循環不全を背景に両踵部の褥瘡・糖尿病壊疽を来しています。

※以下に実際の創傷写真を掲載しています。医療・介護関係者への情報共有を目的として掲載しています。閲覧の際はご留意ください。


今回の特定行為・創傷管理

両踵部には黒色〜褐色の壊死組織や黄色調スラフが残存しており、肉芽形成や上皮化を妨げる要因となっていました。一方で、末梢循環不全が考えられる状態でもあったため、創面の見た目だけで一律に壊死組織を除去するのではなく、血流状態、出血リスク、創床の組織性状を確認しながら段階的に介入しました。

創傷管理では、TIME理論に基づき、壊死組織、感染・炎症、湿潤環境、創縁を毎回評価し、除圧や周囲皮膚の保護も含めて対応しています。

8月の創部経過

右踵部・左踵部とも、同じ日付で左右を並べて掲載しています。写真では、壊死組織の残存状況、赤色肉芽の形成、創面付着物、創縁・周囲皮膚の変化を経時的に確認できます。

8月2日

右踵部|8月2日
左踵部|8月2日

8月9日

右踵部|8月9日
左踵部|8月9日

8月16日

右踵部|8月16日
左踵部|8月16日

8月16日:プロントザンによる処置開始

この日からプロントザン創傷洗浄用ソリューションによる洗浄を開始し、ゲルによる創面保護ケアを追加しました。右踵部はカデキソーマ製剤、左踵部はスルファジアジン銀を使用し、ガーゼ+メッシュケア+伸縮包帯による固定を継続しています。

8月25日

右踵部|8月25日
左踵部|8月25日

8月30日

右踵部|8月30日
左踵部|8月30日

8月16日:プロントザンによる処置開始

この日からプロントザン創傷洗浄用ソリューションによる洗浄を開始し、ゲルによる創面保護ケアを追加しました。右踵部はカデキソーマ製剤、左踵部はスルファジアジン銀を使用し、ガーゼ+メッシュケア+伸縮包帯による固定を継続しています。

8月16日からプロントザンによる創傷管理へ変更

8月16日から、創床環境の改善を目的としてプロントザンを用いた創傷洗浄・管理へ変更しました。

創傷治癒が停滞する要因として、壊死組織だけでなく、創面に形成されるバイオフィルムや付着物も考慮する必要があります。そのため、創面を十分に洗浄し、除去可能な付着物を取り除きながら、創床を肉芽形成が進みやすい環境へ整えることを目的として介入しました。

処置変更後も、単に創面の色調だけで改善を判断するのではなく、滲出液量、臭気、感染徴候、肉芽形成、創縁の浸軟、周囲皮膚の状態などを継続的に確認しています。

使用外用剤

スルファジアジン銀製剤(ゲーベンクリーム)カデキソーマ製剤(カデックス軟膏)創傷洗浄用ソリューション(プロントザン)

DESIGN-Rによる客観的評価

評価日右踵部左踵部
8月2日34点33点
8月9日33点34点
8月16日30点22点
8月25日30点30点
8月30日36点30点

DESIGN-Rの合計点は、右踵部が34→33→30→30→36点、左踵部が33→34→22→30→30点で推移しました。総点は創傷の一側面を客観的に把握するために有用ですが、点数だけで改善・悪化を判断することはできません。創の深さ、滲出液、壊死組織、肉芽、ポケットなど各項目の変化と、写真による創床の質的変化を合わせて評価しています。

局所所見・処置内容【TIME理論による評価】8/30時点

プロントザン創傷洗浄用ソリューションにて洗浄し、ゲルによる創面保護ケアを追加しています。ゲル塗布後、右踵部にはカデキソーマ製剤、左踵部にはスルファジアジン銀を使用し、いずれもガーゼ+メッシュケア+伸縮包帯による固定を継続しています。

血流評価

膝窩動脈・後脛骨動脈はいずれも触知が弱く、前回評価から大きな変化はありません。末梢には軽度の冷感を認めるものの、明らかな色調変化は認めていません。褥瘡周囲皮膚には光沢感や暗褐色〜灰色調の変化がみられ、末梢循環不全を考慮しながら創傷管理を行っています。

T:Tissue(組織)

両踵部の創面にはクリティカルコロナイゼーションを疑う付着物を認め、増殖期への移行を遅延させる要因と判断しました。プロントザンによる洗浄で創面表層のバイオフィルム・付着物の除去を図っています。

創底には出血を認める部位が散在しており、8月27日のメンテナンスデブリードマン後には壊死組織および出血の増加を認めました。処置後の炎症反応が疼痛増強に関与している可能性も考え、プロントザンソリューションによる洗浄とゲル塗布による創面管理を継続しています。

I:Infection / Inflammation(感染・炎症)

臭気・滲出液は前回評価と比較して改善傾向です。一方、右踵部近位には腫脹・熱感・疼痛の増強を認め、発熱もみられました。感染も鑑別に挙げながら、デブリードマン後の炎症反応の可能性も含めて評価し、炎症反応の鎮静化と感染予防を重視しています。必要時には医師と連携し、抗菌薬や解熱鎮痛薬の使用を検討できる体制としています。

M:Moisture(湿潤環境)

開放時にはモイスキンパッドまで滲出液を認めるものの、外側の伸縮包帯への染み出しや明らかな接触出血は認めていません。創面の湿潤環境と創縁の浸軟リスクを確認しながら、被覆材と外用剤を調整しています。

E:Edge(創縁)

健常皮膚との境界は比較的明瞭です。広範囲に乾燥・鱗屑状の角化を認め、踵部から下腿にかけて暗褐色〜灰色調の色素沈着・うっ血様変化がみられています。過乾燥により創縁と良性肉芽の治癒過程に乖離がみられるため、創縁保護を継続しています。

また、踵部は骨突出部であり、除圧不足や剪断力による創縁変形のリスクが高い部位です。創縁には脆弱な白色壊死組織も付着しているため、創部拡大や出血リスクを考慮し、皮膚状態を確認しながら段階的に除去しています。

全身管理

末梢循環不全を背景として、感染拡大や処置時出血のリスクがあるため、デブリードマンは血流状態と創床反応を確認しながら慎重に実施しています。また、全身性炎症反応を示唆する所見がみられた際には敗血症への移行にも注意し、医師へ電話報告するとともに、継続的な情報共有を行っています。

在宅で創傷を継続評価する意味

褥瘡・慢性創傷は、毎回同じ処置を続ければよいわけではありません。創床は日々変化するため、前回との違いを確認しながら、その時点で必要な処置へ調整していくことが重要です。

今回の症例でも、壊死組織の残存状況、肉芽形成、創面付着物、滲出液、創縁の状態を継続的に確認し、8月16日にはプロントザンを用いた処置へ変更しました。訪問看護だからこそ生活の場で創部を継続して確認し、必要なタイミングで医師や多職種と情報共有しながら治療につなげることができます。

まとめ

8月の1か月間、両踵部の創傷に対してTIME理論とDESIGN-Rを用いた評価を継続し、創部の状態に応じて段階的な壊死組織の除去と創床管理を行いました。

8月16日からはプロントザンを用いた創傷洗浄へ変更し、壊死組織だけでなく創面付着物やバイオフィルムにも着目した創傷管理を継続しています。

アキュリア訪問看護ステーションでは、褥瘡・慢性創傷に対して「処置を行う」だけではなく、評価 → 臨床判断 → 処置 → 再評価を繰り返しながら、在宅での創傷治癒を支援しています。

褥瘡・慢性創傷についてご相談ください

「創傷がなかなか改善しない」「在宅で専門的な創傷管理を受けたい」「デブリードマンを含めて相談したい」など、医療機関・ケアマネジャー・施設・ご家族からのご相談も受け付けています。

※本記事は訪問看護における実践内容を紹介するものであり、特定の外用薬・処置方法を一律に推奨するものではありません。創傷の治療方法は、創部の状態、血流、感染徴候、基礎疾患、栄養状態等を含めた個別評価が必要です。

※掲載している創部写真は、プライバシーに配慮し、個人が特定されない形で使用しています。

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